憂ことを海月に語る海鼠哉 召波2008年01月14日 07時25分50秒

寒茜石に掘られて字の残る

待春のブックエンドの双狗かな

寒中の初音小路は行止まり

恋終はる谷中煎餅食みながら

山茶花を歪みガラスを通し見る

陶製の椅子に座れば尻冷た

ブロンズの土人の顔や寒明くる

隣家との境に蜜柑生りにけり

万巻の書を読み棚に鏡餅

寒中の墓の方から法事客