美しき連ほしう思ふさくら狩 孤桐2008年04月01日 05時52分48秒

ぶらんこを漕ぐや最初は地を蹴りぬ

雨降るや花見処に人はゐず

靴底に付け花片を運びけり

枝振りのバランス悪き桜かな

うまさうな葉を出して咲く山桜

山桜ちょっと違ふと言われけり

夕暮や腐りだしたる庭桜

ぶらんこは前へ後へまた前へ

山吹を手折りて家に持ち帰る

紫荊肥後に入つて最初に見る

闇の夜や桜ゆすりて手に受ん 何堂2008年04月02日 05時32分41秒

目印は辻の桜か桜の辻か

勲章を着け三階の春燈

本堂に仏残され四月馬鹿

花吹雪一生読めぬ楽譜かな

動物は荷物を持たず涅槃かな

散り方の滅法はやし午後三時

朔日のまだ固まつて新社員

切株を残す杉山嶺櫻

日本橋道路の下に飛花を待つ

新しき春のコートや朝と夕

日の本や鯛を喰ふてさくら狩 沙月2008年04月03日 05時19分16秒

淡水魚専門店や花の雨

墨を吐き大王烏賊の逃げにけり

桜あつたか花園小学校

花茣蓙に酒を飲む顔揃ひたる

御衣黄のネームプレート字がかすれ

春昼や町歩く時欠伸する

茶一杯飲んで始まる春の朝

春宵やビルに戸の無き思ひあり

北風に促されたる飛花落花

桜など無きところまで花片が

花の山どちら向てもよかりけり 是計2008年04月04日 05時47分25秒

春昼の散歩をすれば丸の内

大犬を連れて歩くや春の宵

町内に死にかけの人水温む

江戸崎は茨城県や八重桜

番ひではない二羽の鴨残りけり

花札の鶴ゐる札を大事にす

見上げては桜に降つて来よと言ふ

桜散る飛鳥山から川流れ

井戸涸れぬ月が朧の間なら

丸ビルの烏まします烏の巣

昨日逢た人に又あふ花見かな 稲音2008年04月05日 07時00分58秒

春暮れて蒲田大森大井町

旗持つて先頭歩く春の空

町内の花見に使ふ板戸かな

新聞に花見の人出書かれたる

花見ては田園調布まで来たる

花の頃芝生の上で寝て過ごす

桜貝浜の真砂の上にあり

花びらの玄関先に降り積る

朝桜謡曲謡ひながらかな

朝桜赤き恰好走り来る