嵐吹草の中よりけふの月 樗良 ― 2008年10月10日 06時14分42秒
飯食へば体重の増ゆ秋夕焼
秋来ればなにもせずとも名月に
道歩く青松虫に影のあり
秋の空スーツケースに詰めて行く
大崎に電車集まる良夜かな
空映すために窓ある野分後
小鳥来る昨年植ゑし街路樹に
有楽町マリオンに栗名月
秋深く特上ミノも噛切れず
パソコンを持ち秋風の成田かな
秋来ればなにもせずとも名月に
道歩く青松虫に影のあり
秋の空スーツケースに詰めて行く
大崎に電車集まる良夜かな
空映すために窓ある野分後
小鳥来る昨年植ゑし街路樹に
有楽町マリオンに栗名月
秋深く特上ミノも噛切れず
パソコンを持ち秋風の成田かな
唐黍のさわぎ立たる野分かな 光甫 ― 2008年09月09日 05時53分38秒
浮いて来る青みがかつた錦鯉
栃の実の栗に似てゐる秋思かな
秋の蚊の人の来るのを待ちにけり
血を吸つてから秋の蚊の潰されぬ
講堂の縁に雀や秋扇
雲の峰安田講堂まで育つ
咲く前の本郷通のダチュラかな
青筋あげは羽根を残して死んでをり
東京大学教育学部の柿青し
金魚坂から持ち帰る金魚かな
栃の実の栗に似てゐる秋思かな
秋の蚊の人の来るのを待ちにけり
血を吸つてから秋の蚊の潰されぬ
講堂の縁に雀や秋扇
雲の峰安田講堂まで育つ
咲く前の本郷通のダチュラかな
青筋あげは羽根を残して死んでをり
東京大学教育学部の柿青し
金魚坂から持ち帰る金魚かな
勝た手を組で見せたる角力哉 旭翁 ― 2008年08月21日 06時35分55秒
朝顔の萎みて色の濃きところ
唐辛子赤くなれずに青きまま
荒川の足立区側に稲田から
ホップめぐらす鉄製のアーチかな
草原に草の花まで踏みにけり
草刈つてから藪からし繁茂せる
パスポート写真爽か遠く来て
文月や別れ難しを別れ来る
海風に散り敷かれをる槐かな
溝萩のない盆花を飾りけり
唐辛子赤くなれずに青きまま
荒川の足立区側に稲田から
ホップめぐらす鉄製のアーチかな
草原に草の花まで踏みにけり
草刈つてから藪からし繁茂せる
パスポート写真爽か遠く来て
文月や別れ難しを別れ来る
海風に散り敷かれをる槐かな
溝萩のない盆花を飾りけり
朝顔や毎日咲てあかれざる 富葉 ― 2008年08月16日 06時38分07秒
蝉の子の空蝉になき重さかな
掃苔や豚饅頭の臭させ
天竺へ仏典取りに初嵐
きりぎりす崖の上から聞こえけり
炎天に黒靴が吸ふ暑さかな
新涼に尾羽短き親烏
蜘蛛の囲に掛りて静か油蝉
片翅がぺつたり蜘蛛の囲に掛る
油蝉もうぢき蜘蛛に喰はれけり
油蝉暴れ蜘蛛の囲ぼろぼろに
掃苔や豚饅頭の臭させ
天竺へ仏典取りに初嵐
きりぎりす崖の上から聞こえけり
炎天に黒靴が吸ふ暑さかな
新涼に尾羽短き親烏
蜘蛛の囲に掛りて静か油蝉
片翅がぺつたり蜘蛛の囲に掛る
油蝉もうぢき蜘蛛に喰はれけり
油蝉暴れ蜘蛛の囲ぼろぼろに
にこにこと笑ふて叩く西瓜哉 玉壷 ― 2008年08月14日 05時45分42秒
長生きをしたいと喋る生身魂
迎火の焚かるるなかを帰宅かな
二日目に入る木槿のこと思ひ
開き切る底紅に底なかりけり
南風晴海通りを吹き抜けり
人間の糞に触つた蝿止まる
テーブルの下に飛ぶ蚊は足を刺す
筒状のワンピース着て雲の峰
茄子カレー茄子をたくさん入れにけり
魂祭一日前や西瓜来る
迎火の焚かるるなかを帰宅かな
二日目に入る木槿のこと思ひ
開き切る底紅に底なかりけり
南風晴海通りを吹き抜けり
人間の糞に触つた蝿止まる
テーブルの下に飛ぶ蚊は足を刺す
筒状のワンピース着て雲の峰
茄子カレー茄子をたくさん入れにけり
魂祭一日前や西瓜来る
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